| 物価が今と大きく変わらず、私の計算が間違っていなければ、50歳で引退し、かつそれなりにゆとりある老後を過ごすには、50歳までに9000万円の貯金があればよいということが前頁「一生で必要なお金」の計算で分かりました。ここでは分かりやすく、50歳までに1億万円貯金する計画を立ててみることにしましょう。
25歳の人を例に取ると、50歳までに貯金だけで1億円貯めるには、年間平均400万円の貯金をしていけばよいことになります。しかもこれは全て引退後の費用であり、家を建てたりするお金は含まれません。かなりきついです(--;)
そこで、効率的な資産運用が必要となってきます。今の金利だと、銀行に1年間100万円預けておいても利息は1000円くらいです。確かに、銀行に預けておけばペイオフ解禁されたとはいえ1000万円までの元本とその利息は保障されますから、絶対にお金が減らないという安心感はあります。しかし、お金を増やすという目的からすると銀行はあまり向いていません。
持っているお金を増やすためには、主に以下のような方法があります。
| 株式投資 |
株式会社が発行している株券を買い、その値動き(株の価格は日々変化する。例えば10万円で買って、12万円に値上がりしたときに売れば、差額の2万円から手数料を除いた分だけ儲かる)や配当(株を買う=その会社に投資するということ。そのお礼に、株式会社は毎年の利益を株の持ち主に配当金として還元する)によって収益を得る方法。また、株を持っていると、その会社ごとに株主優待というサービスが受けられる。
ただし、会社の業績が悪いと株の値段は買ったときよりも下がるし、倒産すれば株券はただの紙切れになる。
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| 投資信託 |
自分で銘柄を選んで株を買うのではなく、プロの投資家にお金を預けて株式などによって運用してもらう方法。プロに運用を任せるので株の知識がなくてもできる、多くの人から集めた資金をまとめて何百もの銘柄の株を買って運用するので、個人ではできないような分散投資したことになり、リスクが減らせるなどといったメリットがある。
しかし、プロが運用してももちろん損をすることはあり、その場合は元本割れすることもある。また、自分の好きな銘柄を選べない、プロの投資家への報酬が必要なため自分で株を買うよりも手数料が高いなどのデメリットもある。
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| 債券 |
国や企業にお金を貸して、その利子をもらうことで収益を得る方法。債券とは、国や企業がお金を借りるために発行する借金の証文のことである。
株との大きな違いは、満期になれば元本が戻ってくる、利率が一定である(変動金利もある)というところである。したがって株式投資に比べると安全性は高いが、決められた利率以上の収益も得られないという、安全性重視の運用方法。
しかし、満期になる前に換金する場合は元本割れすることもあるし、会社が倒産すれば借金を返すこともできなくなるため、100%安全という保障はない。
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| 外国為替取引 |
アメリカの1ドルが日本円で何円に相当するかというのを為替相場といい、これは日々変動している(もちろんアメリカ以外の通貨も同じ)。その為替相場の変動によって収益を得るのが外国為替取引である。
例えば、1ドル=100円のときに100万円を1万ドルと交換し、1ドル=120円になったときにその1万ドルを日本円に変えれば、120万円に増えるという仕組みである。
しかし、逆に1ドル=80円になると、1万ドル=80万円なので損をしてしまう。 |
| 商品先物取引 |
例えば大豆を大量に使う食品を作っている会社にとって、大豆の豊作・不作による価格の変動は大きな影響を与える。そこで、「いつになったらどれだけの大豆をいくらで買う」ということをあらかじめ約束しておけば、大豆の豊作・不作に関わらず、その会社は予定通りの価格で大豆を仕入れることができる。
仮に「来年の1月に大豆1トンを100万円で買う」という約束をしたとする。もし来年の1月になって、大豆が不作で本来なら1トン120万円するとすれば、100万円で買えれば20万円の利益である。
しかし、大豆が豊作で通常は1トン80万円で買えたとしても、100万円で買うという約束をしているので100万円払わなけばならない。この場合は20万円の損である。
このように、売買を約束したときの価格と、実際に商品を受け渡しするときの差額によって収益を得る方法が商品先物取引である。一般的には、ハイリスク・ハイリターンで素人が手を出すのは危ないと言われている。
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当然これらにはリスクが伴います。つまり、儲かることもあれば損をしてしまうこともあります。一般的は、うまくいったときの儲けが大きいものほど、失敗したときのリスクも大きくなります。ですから、どの運用方法を選ぶかはそれぞれの考え方次第ですし、リスクがある以上、全てのお金を投資するのは危険です。通常は、生活していくのに必要なお金は銀行に貯金しておき、当面は使う予定のない余裕資金を投資に当てるというのが奨励されています。
なぜそんなリスクを冒してまで、多くの人が投資をしているのでしょうか?それは、長い目でみたとき、資産運用の仕方によって将来持っているお金にものすごく大きな差が出てくるからです。例えば毎年100万円ずつ貯金していったとき、その貯金を年間の利回りが0%、5%、10%、20%で運用したときの20年後の貯金額を比べてみましょう。
利回りが0%の場合、毎年100万円ずつ貯まっていくので、1年目は100万円、2年目は200万円、3年目は300万円・・・、といった感じで増えていきます。貯金の場合はこれに近いです。
利回りが5%の場合、1年目は100万円。2年目は、1年目の100万円を5%の利率で運用して105万円に増やし、さらに100万円貯金するので、合計205万円。3年目は、2年目までの205万円を利率5%で運用して215万円に増やし、さらに100万円貯金するので、合計315万円。
こんな感じで上の4つのパターンを比較すると、下の表のようになります。
| 年間利回り |
0% |
5% |
10% |
20% |
| 1年目 |
100万円 |
100万円 |
100万円 |
100万円 |
| 2年目 |
200万円 |
205万円 |
210万円 |
220万円 |
| 3年目 |
300万円 |
315万円 |
331万円 |
364万円 |
| 4年目 |
400万円 |
431万円 |
464万円 |
537万円 |
| 5年目 |
500万円 |
553万円 |
611万円 |
744万円 |
| 6年目 |
600万円 |
680万円 |
772万円 |
993万円 |
| 7年目 |
700万円 |
814万円 |
949万円 |
1292万円 |
| 8年目 |
800万円 |
955万円 |
1144万円 |
1650万円 |
| 9年目 |
900万円 |
1103万円 |
1358万円 |
2080万円 |
| 10年目 |
1000万円 |
1258万円 |
1594万円 |
2596万円 |
| 11年目 |
1100万円 |
1421万円 |
1853万円 |
3215万円 |
| 12年目 |
1200万円 |
1592万円 |
2138万円 |
3958万円 |
| 13年目 |
1300万円 |
1771万円 |
2452万円 |
4850万円 |
| 14年目 |
1400万円 |
1960万円 |
2797万円 |
5920万円 |
| 15年目 |
1500万円 |
2158万円 |
3177万円 |
7204万円 |
| 16年目 |
1600万円 |
2366万円 |
3595万円 |
8744万円 |
| 17年目 |
1700万円 |
2584万円 |
4054万円 |
1億593万円 |
| 18年目 |
1800万円 |
2831万円 |
4560万円 |
1億2812万円 |
| 19年目 |
1900万円 |
3054万円 |
5116万円 |
1億5474万円 |
| 20年目 |
2000万円 |
3307万円 |
5727万円 |
1億8669万円 |
20年目の金額を比べてみてください。全然違いますよね!これが資産運用の効果です。ちなみに、利回り0%で25年間で1億万貯めるには年間400万円ずつ貯金する必要がありましたが、仮に貯金を利回り5%で運用できれば、毎年の貯金は約半分の210万円で済みます。利回り10%で運用できるなら年間約105万円、利回り20%で運用できるならなんと年間約22万円ずつの貯金で25年後には1億万円貯まります!
もちろん20年以上も毎年10%前後の利回りで運用するというのは実際には多分無理です。逆に損をする可能性も十分にあります。しかし、25年間平均400万円ずつ貯金することに比べたら、毎年100万円ずつ余裕資金を捻出して、それを利回り10%で運用できるように努力するという方が、まだ少しは実現できる可能性が高い気がします。
このように、現在の年齢や持っている貯金に応じて、これから毎年いくらずつ投資に回せる余裕資金を作って、それを利回り何%で運用すれば目標が達成できるか計算することで、悠々自適な生活への道が開けてくると思います。
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