| 近視矯正手術の中でもっともポピュラーなのは、「レーシック」と言われる手術です。しかし、近視矯正手術には、レーシック以外にも、いくつかの方法があります。近視矯正手術はかなり高額(両目で20万円〜50万円くらい)で、手術方法によっては元に戻せないものもあるので、事前にメリット、デメリットをしっかり確認しておきましょう!
【レーシック】
角膜(眼の表面の膜)は5層構造になっています。表面から、角膜上皮層、ボーマン膜、角膜実質層、デスメ層、角膜内皮層です。レーシックでは、角膜の大部分を占める、角膜実質層をレーザーで削って、角膜の屈折率を変えることで、近視を矯正します。
イメージとしては、下図のとおりです。
まず、フラップと呼ばれるフタを作り、それをめくった状態でレーザーを照射して角膜実質層を削ります。削ったあとはフラップを元に戻すため、術後は角膜が右側の図のように一部が切除された状態になります。
角膜実質層は再生しないため、削った角膜が再生して視力が戻るということがない反面、1度削った角膜を元に戻すことはできません。
レーシックは、痛みがほとんどない、術後すぐに視力が回復するなどのメリットがある反面、角膜が薄い人は手術できない、術後3ヶ月程度、ハロ・グレア(光がぼんやりともやがかかったように見えたり、光をまぶしく感じる現象)が出る場合がある、術後3ヶ月程度ドライアイになる場合がある、夜間の視力が低下するというリスクがあります。
【イントラレーシック】
基本的にはレーシックと同じですが、イントラレーシックでは、フラップをより薄く作ることができるため、その分角膜を多く削ることができ、角膜が薄い人や強度の近視でレーシックは受けられない人も治療できる可能性があります。
また、フラップ のエッジを直角に作ることができるため(レーシックのフラップのエッジは鋭角)、フラップのずれやしわが起こりにくく、術後の視力も統計的には良好な結果が得られています。
デメリットはレーシックと同じですが、レーシックに比べるとハロや夜間視力の低下が起こりにくいと言われています。また、術後に1.0以上の視力が得られる率も高いですが、手術代はレーシックよりも高いことが多いです。
【エピ・レーシック】
レーシックと同様に角膜を削って屈折率を変える手術ですが、レーシックは角膜実質層にフラップを作成するのに対して、エピ・レーシックは
角膜上皮層にフラップを作ります。
そのため、レーシックよりもフラップを薄く作ることができ、角膜が薄い人や強度近視の人も手術が可能です(それでももちろん手術できない場合もあります)。また、フラップとして剥離した角膜上皮は術後新しく再生するため、衝撃などでずれたりすることがなく、格闘技をしている人などには適していると言われています。
デメリットとして、レーシックは手術当日に良好な視力が得られ、痛みもほとんどないのに対して、エピ・レーシックは術後数日間は痛みがあり、視力回復にも数日間かかるということが挙げられます。その他、レーシックと同様にドライアイやハロ・グレアといった症状が出る可能性があります。
【フェイキックIOL】
眼の中(角膜と虹彩の間)に人工のレンズを入れる方法です。レーシックなどと違って角膜の厚さが手術の可否に関係しないため、非常に強い近視でも矯正することができます。また、レンズを挿入するだけなので、レンズを取り出すことで眼を手術前の状態に戻すことができるというメリットもあります。
デメリットとしては、レンズにたんぱく質や脂肪組織の沈着が起こる可能性がある、人工レンズに対してアレルギーが起こる可能性がある、片目ずつしか手術できない(1〜2週間は間を空ける必要がある)、レンズが高価のため手術代が高い(両目で50万円程度)、レーシックに比べると症例が少ないなどが挙げられます。
手術を検討する順番としては、まずレーシックかイントラレーシックを検討し、角膜が薄いなどの理由で受けられない場合はエピ・レーシック、それでも角膜の厚さが不足している場合はフェイキックIOLを進められることが多いようです。
どの方法でも高い確率(条件によるが、概ね90%以上)で1.0以上の視力が得られていますが、100%望んだ以上の視力が得られる訳ではありません。高い手術代を払ったのに、手術後も眼鏡が必要という可能性もありますし、手術によりなんらかの眼病になってしまう可能性もあります(日本で失明した例はまだないそうです)。また、それぞれに特徴がありますので、リスクも含めてきちんと理解し、納得した上で判断しましょう。
|